ウスク・キャッスル(Usk Castle)
Shwmae! Tomoです。
カーナビで最短距離のコースを選んでしまったために、高い生垣に両側を挟まれている車一台分しかないような狭い狭い道をハラハラドキドキしながら走っていた私たちですが、無事に一般的な車道に出ることができ、何やら町らしいところに出てきました。
この手前にも自転車カゴにカラフルなお花がてんこ盛りな家がありました。
見ているだけで気分が上がります。
看板の位置が低すぎてよくわからなかったのですが、お城があるような…
やっぱり「ウスク・キャッスル(Usk Castle)」と書いてあります。
車は急に止まれないのでUターンして中に入ってみました。
緩やかな勾配を上がるとそこは雑木林に囲まれた砂利の駐車場。
車が数台止まっていて、お城は左手にあるようです。
このまま進んでいって良いのかためらってしまうほど、鬱蒼とした雰囲気です。
あ、見えた!
お城はさらに丘の上にあるようです。坂道の手前には絵地図がありました。
思ったよりも広いお城のようです。
それにしても営業(開園?)時間とか、入場料とかの看板が見当たらないんですけど…。
ウソみたいな門をくぐります。上にのった王冠がなんともウソっぽい。
その先に小屋が見えて、そこが案内所かな?チケットとか買うのかな?と思い近寄ってみると…
ひどい!「ビジターはご自分の責任でお入り下さい」って大きく書いてある!
では何があっても自己責任ということで先に進みます。
少し急な坂を上がっていくと、目の前にお城らしいものが見えました!
お城はもっと右奥に続いているのですが、この日は入っていくのを遠慮しました。
なぜなら右手にテントが見えますが、前日にここで結婚式が行われたそうで、みなさん解体作業で忙しそうだったからです。行く先々で(午前中はティンターン・アビー)結婚式の解体作業に出くわすなんて、前日の日曜日はよっぽど結婚式日和だったのでしょうか。
しかも、そんな話をしてくれた作業中の若いお嬢さんはタンクトップにショートパンツにブーツという格好で音響設備のコードをぐるぐる巻いていたのですが、うちの旦那さんが「昨日は僕の息子も結婚式だったんだよ」と言うと、驚いて「あら!私も!昨日は私の結婚式をここでしたの。ここは父のものだから。」えー?!今度はこちらがびっくりする番です。テントの入り口で照明を外していたおじさんは、なんとこのお城の所有者、そして花嫁の父でした。私たちが「おめでとうございます。」と言うと、さっきの会話を聞いていたのか「あなたたちもおめでとう。」と返してくれました。
テントの中を見せてもらったお礼を言うと、自由に見て回ってください、とさっきのおじさん、いや城主に言ってもらえましたが、作業のじゃまはしたくないので左の方に行ってみます。
3本の松の木が不自然に立っています。真ん中の木に掲げられた看板にはこう書いてありました。
"SCOTS PINE TREES PLANTED TO
COMMEMORATE THE BIRTH OF
HRH PRINCE OF WALES
14 NOVEMBER 1948"
プリンス・オブ・ウェールズの誕生を祝ってこの3本の松の木が植えられたそうです。
プリンス・オブ・ウェールズと言えば…誰だっけ?
でもプリンセス・オブ・ウェールズと言えばダイアナ妃。そして1948年に生まれたっぽい人ってもしかしてチャールズ皇太子?
私たちが訪れた2017年9月18日現在で68歳、もうじき69歳だった松の木たち。
にょきにょきと、まるでチャールズ皇太子のように背の高い木だったのですね。
その先にはさっき通ってUターンした道と、その先にも町が広がっています。
手前には手書き風の風景に説明書きがあってわかりやすいです。
さらに風景画の下には、このお城に関する歴史上の出来事が書いてあります。
全部読んではいませんが、まるで誰かが勉強中のノートのような書き方ですね。
人間関係が複雑だったようです…。
まさか町の真ん中にこんな素敵なお城があるとは思ってもいませんでした。
私たちが見た範囲だけでも「なぜこんなものがここに?」と思う物がたくさんあったので、きっとテントの奥に続く敷地内にもユーモアに富んだ不思議なものがたくさんあるのでしょう。
カーナビで最短距離を選択していなければ絶対に通過しなかった町、ウスク。
こんな素敵なお城とその持ち主家族との出会いに感謝です。